領域からのメッセージ

 新年度の挨拶 ー公募研究を迎えて

新学術領域研究「性差構築の分子基盤」は、平成22年度より7グループの計画研究によって発足致しました。さらに、23年度には第1期の公募研究12グループが加わり、総勢19グループによる充実した体制が整いました。まずは、新たに参加して頂く公募研究代表者の先生方には本領域にて存分にご活躍頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。

本領域は申し上げるまでもなく、性差を対象とする研究によって構成され、性差構築の分子基盤の解明を目指しています。従来より、性差を対象とする研究は行われてきましたが、それらの研究者は理学、医学、農学、薬学関係の既存の学会に分散し、一堂に会する機会がありませんでした。そのような状況にあって、分野横断的な力強い研究が生まれる機会が十分に提供されなかったのではないかと感じています。また同時に、極めて重要であるにも関わらず、性や性差を基軸とする研究領域が認知されることなく、現在に至っていることは非常に残念です。新学術領域研究はまさにその点を克服し、新たな研究領域を創出するために設置された研究費でした。わたくしどもの研究領域には理学、医学、農学などの専門領域が異なる研究者が分野横断的に結集しています。未来の性研究が本領域によって開拓され、その結果として世界の性研究を牽引する、そのような研究領域が形成されれば、本領域はその使命を果たすことができるのではないかと思っています。

わたくしは本研究領域のヒアリングの席上にて、「これまで我々はヒトとはこのような生き物であるとか、マウスやメダカはこのような生き物であると理解してきましたが、このような理解は不十分であり、ヒトの雄とはことのような生き物であり、ヒトの雌とはこのような生き物である、そしてマウスの雄やメダカの雄、マウスの雌やメダカの雌はこのような生き物であると理解することなく、生物本来の姿を知ることはできない」と申し上げました。「性差構築の分子基盤を解き明かす」とは、このような視点から立ち上がった目標でした。

本領域メンバーの奮闘を期待致します。

2011年5月
領域代表:諸橋 憲一郎